質問:雲マークを作図すると、太く作図されてしまう

オートキャド(AutoCAD)の機能の中に「雲マーク」を作図するコマンドがありますが、このコマンドで作図した雲マークが突然太く作図されるようになりました。

今までは普通の太さで作図できたのですが、ある図面では太く作図されます。なぜこのような現象が起こるのでしょうか。

■回答■

雲マークを作図する機能がオートキャド(AutoCAD)に追加されたのは結構最近のような気がしていましたが、もう何年も前の話なんですね。

図面を作図する仕事をしていると、図面の中で注目して欲しい部分が出てきます。それを目立たせる為に、雲マークというのは非常に有効な手段と言えるでしょう。

目立たせるという目的で、この雲マークに太さを持たせることは時々ありますが、基本的にはやはり太さ0で作図するのが普通だと思います。

と言う訳で、雲マークの太さをコントロールする設定について今回はお話ししていきます。

最初に、雲マークを構成する要素はポリラインである、と言うことを覚えておきましょう。これは非常に大事なポイントです。

ポリラインであるからこそ、太さを持たせる事が出来ますし、円弧が連続した図形を一つのオブジェクトとして認識することができるのです。

つまり、作成された雲マークが太いのは、ポリライン幅の設定が太い状態になっているから、ということになります。

新規作成されるポリラインの幅は、「PLINEWID」というシステム変数で設定できます。作図した雲マークが太いのは、このシステム変数が原因ということになります。

設定の変更方法は以下の通りです。

①システム変数の入力
コマンド待ちの状態で PLINEWID と入力してEnterを押します。

②ポリライン幅の入力
PLINEWID の新しい値を入力 :

システム変数を入力すると、上記のような表示が出ます。ここではポリライン幅が40に設定されていますので、0と入力してEnterを押しましょう。

③設定変更の完了
これで設定は完了です。

ポリライン幅の初期設定は0ですから、0以外の設定になっている場合は、何らかの理由でポリラインの幅を変更したということです。

設定を0にした場合、これ以降に作図する雲マークの幅は0となりますが、当然ポリラインの幅も0になってしまいます。ポリラインと雲マークとは、非常によく似ているという認識を持っておくと良いかも知れません。

ただ、この現象は私の使用しているLT2005では発生しないことを確認しています。LT2005では、PLINEWIDを100に設定しても、雲マークの太さは0で作図されます。

一方、別のパソコンにインストールされているLT2000iでは、頂いた質問のような現象になります。というか、この現象は私が2000iを使用していた時に結構体験しました。

ですから、バージョンアップの際にこうした現象が出ないような処理がなされたと考えるのが自然ではないかと私は考えています。どちらがより便利なのかは別として、ですが…。